青梅を 孫娘から祖母へ おくりもの。 一言そえて 「おばあちゃんに」。 まだ物足りなくて 「それだけだよーん」 と付け加えて宅配便で送った。
korekarayukumitiのブログの新着ブログ記事
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▼ ハンモック 白百合胸に 抱いて寝る 夕日となれば 赤々と燃え ▼
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☆ ああ夏野 小石置かれて いくとせか 日のなすままに 陰を結びて ☆
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☆ 街角に 一つの石が 置かれをり 何の石かと 問ふ人もなく ☆
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☆ よろよろと 帰還の鳩が 地を歩く ☆
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◆ 行商の老婆は急ぐ この街に 初恋の 病んだ男が 潜むと聴いて 彼に海の幸を 届けたい一心なのだ それは老婆が 中学を卒業したときから ずーっといつも 男に食べさせたいと願いつつ 傍らによけてきた 大切な海の一品なのだ ◆
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◆ 強風の 中を老婆は 立ち向かう 今日の海の幸 街へさばきに ◆
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◆ 群青は 澄んで濃い色 ウルトラマリン 他にない色 神の色 一途な鳥は そこに向かって 一線超える ◆
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✩ 学校の 帰りに拾った 捨て猫を 祖母にねだって 飼い猫とする ✩ 愛されて とりわけ母[今の祖母」に 愛されて 里子にされず育った 今のママがいる ✩ そのママが おそれて祖母を 見守れば ー裏で鳴いてる 猫 飼いなさいー ✩
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✩ 魚屋の ザルに並んだ どの魚も 愛らしい目で 人を見ている ✩
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✩ 野兎の さまよう先は いつも野辺 人の愛着 第一とはせず ✩
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✩ 夏の鳶は 突っ込む先も 青い空だ もし白雲でも 浮かんでいたら 翼をひっかけ 空中分解するだろう ✩
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✩ 鯨は 生きている幸いを 背中から噴きながら ゆったりと 沖を行く 鯨は図体だけでなく 心も大きい ✩
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✩ やませ来て 薄情者を 棄てて去る 神あることの これもしるしと ✩
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✩ はえ[南風]が来て 吾が両肩を 押さへれば 帰るほかなし 南の家へ ✩
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✩ ここに来て 励まし受ける 吾が身とは 露も知らずに ふらり立ち寄る ✩
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✩ 夏はすでに 来てゐるけれど されどなほ 涼を届ける 夏に期待し ✩
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✩ 望郷の 女荒野に 辿り着き 面を上げれば 幻の家 ✩
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◇ 行き過ぎて 小戻りするや 梅二輪 右と左に 赤と白咲く ◇
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◇ 鶯の 舌を貫く 光り見ゆ 光の武具を 備ふる鳥か ◇
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◇ やるせなく 草笛吹けば なにゆゑか 野鳥数羽が 傍に来てをり ◇
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◇ あくがれの 丘へまつすぐ 牧開き 羊と牛の 駆ける草原 ◇
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◇ 春の野に 兎いくらか 寛ぎぬ 雪の上より 足跡見えず ◇
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◇ かなしめば 小窓に届く 遠蛙 ふるさと吾を 呼ぶかに聞こゆ ◇
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◇ 水槽の 金魚の上に さくらばな 金魚の口が 食らひて千切る ◇
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◇ 春の鳶 狙ひは生きもの さにあらず 軒先に干す 魚や唐黍 ◇
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◇ 雲雀野に 探せどをらず 蒼穹に 一点光り 声を発散 ◇
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◇ 卒業生 見送りて立つ 風見鶏 苛めつ子には あかんべをして ◇
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◇ 永き日を 道草好む 犬連れて そつちは駄目よと ロープ手繰りつつ ◇
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◇ 菜の花や 天使の基地と して開く 如何なる鳥が 羽根を休めに ◇
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◇ 猫柳 みんな上向く 猫ばかり 見上ぐる猫も 鼠は追はず ◇
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◇ しばらくは 窓辺明るく 桜花 落花のときは 頭に置かず ◇
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◇ たうたうと 大地を下る 春の川 この世の汚れ 洗ひて濁る ◇
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◇ 蟇蛙 渋面ならば お手の物 娑婆に生きれば 自然さうなる ◇
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◇ 囀りを 収めまた沸く 一樹あり 辺鄙な町の とある片隅 ◇
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◇ 吾が出づる 道に現はる 蟇蛙 互ひに顔を 合はさず別る ◇
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◇ 春の野に 立ちて敵する ものを見ず 体操嫌ひも つい深呼吸 ◇
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◇ 鳥たちの 黙し息する 沈丁花 目は薄つすらと 開き加減に ◇
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◇ 子猫らの 掌ほどの 梅開く 幼きなりの けなげさをもち ◇
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◇ めじろ二羽 梅の開花を 告げにくる ほかのものでは 役目はたせず ◇
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◇ 紺碧の 天に一点 揚げひばり 晴れがまし過ぎ そのまま置かる ◇
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◇ 飼ひ葉桶 雀跳び込み 草の種 一つ見つけて まさに雀躍 ◇
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◇ 菜畠に 没するものは みな黄色 犬猫鳥に 差別などなし ◇
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◇ 着いてすぐ 挨拶回り するつばめ 翼でバサと 肩を叩かる ◇
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◇ 項垂れし 白鳥水を 廻るのみ 水に映るは 遠きかの鳥 ◇
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◇ 水脈白く 曳きてこの世の 果てを行く あの客船は どこへ行く船 ◇
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◇ 手に余る 苺さしだす 赤子あり これではまるで 苺おにぎり ◇
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◇ 紛れ込む 初蝶やすむ 暇はなし リビング巡り 猫をからかふ ◇
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◇ 梅うつり 桜来て咲く ほとりには 羽毛なびかせ 山鳩もをり ◇
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◇ 発見と いふほどもなく 蕗の薹 雪間にあせた 色して立てり ◇
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◇ 蝶の出て たちまち消ゆる この空に 変幻自在の 蝶の仕草よ ◇
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◇ すぐ逢へる 思ひのままに 卒業す されど不如意の 人生行路 ◇
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◇ 曇天に さやかに架かる 春の虹 霞みゆくのを 不思議に残り ◇
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◇ 梅咲くや 今なき人を 懐かしみ 昔はみんな 山猫だつたと ◇
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◇ ひよつこり 馬の顔出す 田舎道 褐色の肌 光らせて駆く ◇
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◇ 乙女らの 私語して通る 木の芽どき 唾四散し 路傍は萌ゆる ◇
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◇ 咲き出でて 山近くする 桜花 はたまたあれは 白壁の家 ◇
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◇ 雪は降る 小さきものに 化身して 未練を春の 新芽にかぶせ ◇
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◇ 白梅の 北限探り 行き行けば 雪に降られて 視界失ふ ◇
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◇ 雁の列忽然と消ゆ照る空へ ◇ 細く高く雁音しばし澄む空へ ◇
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◇ 片隅を 吾が世の春と 菫草 かかる認識 雀にもあり ◇
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◇ 重き荷を もてゆく如し 鶴帰る 優しき人に 別れを告げて ◇
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◇ 光るもの 嘴ばかり 初雲雀 間なく飛び出す 美声待つ日々 ◇
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◇ 高速に 飛ばす車の 中にゐて いのち幾度か 天にまかせり ◇
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◇ 雁渡る 高層ビルの 谷間にて 見送る声を 翼に包み ◇
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◇ 白梅も 紅梅もあり 山の郷 過疎の村ほど 花は豊かに ◇
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◇ 鶯の 舌を貫く 光あり 声いさをしく 暗き世を討つ ◇
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◇ 落椿 よけてゆく足 ハイヒール 哀れみよりは 靴を庇ひて ◇
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◇ うるはしき 視線と思へば 白き梅 不意に現れ 消ゆる杣道 ◇
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◇ 鶯と 競ふ雀の 四五羽かな 声で負けても 気力優りて ◇
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◇ 山嶺を 青き蝶また 白き蝶 星かそれとも 流行りのドローン ◇
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◇ ことのほか 水脈白く曳き 春の航 人の門出を 見てゐる心地 ◇
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◇ 春雷や 浮かれ娘の 後戻り ボディーラインを 消して出直す ◇
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◇ 菜畑を 近寄せ見せる 望遠鏡 蝶も飛び入り 視界狂はす ◇
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◇ 春の雨 軒の雀の 私語やまず 午後には止めば いいのにね ◇
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◇ 子雀の 嘴ほどの 梅開く 花をあさるは 異鳥メジロ ◇
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◇ 人は減り 村は雀の 花祭り こぼれ拾ふは 昔も今も ◇
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◇ 虚空舞ふ 胡蝶は今や 海の上 上下の青を 選択肢とし ◇
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◇ 春雨に 頭濡らして 立つ雀 雨粒を目に 溜めて勢ふ ◇
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◇ 寒椿 猫の寂しさ ふと覗く 暗き根元に 佇む猫の ◇
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◇ 梅うつり 桜ほの見ゆ 頃ほひを 翼にをさめ 異境へ飛ぶ雁 ◇
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◇ 目潰しを くらはす雪の 横殴り 野兎の目の 赤さを思ふ ◇
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◇ 冬草の みすぼらしくは 見ゆれども その屈強を 人は嗤へず ◇
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◇ 野の兎 豪雪ものとも せずに跳ぶ 生くる困苦に 垣根などなし ◇
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◇ ひとところ 冬日さしたる 丘の上 つばさ傷める 鳥来をるらし ◇
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◇ おのおのが 天に差し出す 木蓮に 優劣はなし 一つのいのち ◇
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◇ 月光に 映し出されて 跳ぶ兎 月のほかには 頼るものなし ◇
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◇ 木蓮の 枝いつぱいに 咲き満ちて 捧ぐる花の 朝のけなげさ ◇
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◇ 竹馬に 乗りて隣家を 窺へば 縁側にゐる 猫に睨まる ◇
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◇ 雪原に 足跡一つ 行き惑ふ 獣ではなく 人の足跡 ◇
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◇ 冴える冬の夜だ 沖の海が襲ってくる 波頭に多くの海鳥をのせて 貧しい漁師の家を 襲ってくる ◇
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◇ 山の駅 寒月を撮り 帰宅する 携帯出せど 寒月出でず ◇
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◇ 海原に 一点景の 冬鴎 ひねもす漂ひ 飛ぶ気配なし ◇
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◇ 冬の旅 いづこにあれど 夜は月 昼は太陽 ついて来てをり ◇
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◇ 浴槽に 柚子浮かべれば 猫遊ぶ 失敗すれば 猫の入浴 ◇
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◇ 梟や 亡き妹の 顔をもち 低声で啼く 兄兄兄と ◇