korekarayukumitiのブログ

長きにわたり探してきた道は、天から降りてくる梯子を
一歩一歩上っていくことだった。

korekarayukumitiのブログの新着ブログ記事

  • 青梅

    青梅を 孫娘から祖母へ おくりもの。 一言そえて 「おばあちゃんに」。 まだ物足りなくて 「それだけだよーん」 と付け加えて宅配便で送った。

  • 蝉に気絶した猫

     庭のブナの木に蝉が来て鳴きだした。ブナの木に留まるやいなや鳴きだすという唐突さに、木の近くにいた猫がびっくり仰天して、気絶して仰向けに倒れた。  気絶して起きない猫に、この家の老人が如露の水をかけた。猫は冷たい水にまたまた驚いて、完全に目が覚めた。そして体をぶるるんぶるぶると振るわせた。そのとき... 続きをみる

  • 夕日

    ▼ ハンモック 白百合胸に 抱いて寝る 夕日となれば 赤々と燃え ▼

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  • 夏野

    ☆ ああ夏野 小石置かれて いくとせか 日のなすままに 陰を結びて ☆

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  • 街角

    ☆ 街角に 一つの石が 置かれをり 何の石かと 問ふ人もなく ☆

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  • 帰還鳩

    ☆ よろよろと 帰還の鳩が 地を歩く ☆

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  • 黄蝶

    ☆ 京子から生まれた 黄蝶が 僕に来て留まった 僕に来て、僕の中に入った 蝶だから もう見えない 君からは見えるはずなのに あまりにもその蝶になりきって いたのだろう だから見えないも同然だ かくして蝶は、お互いに見えない 蝶となった そして恋が生まれた その恋も、黄蝶に端を発しているから、 太陽... 続きをみる

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  • 夏霧

    ◇ 低空には霧がはりつめて そこを天の階を昇り降りするかのように 駆け抜けている鳥がいる 引き締まった体躯の白い鳥で 翼を持ちながら、それは全く使わず 階段を昇り降りするのも、喘ぐような 息遣いはなく、滑るように走り抜けている。 何だろう、あの鳥の立ち居のすがたは。 あそこはすでに、天国の始まりで... 続きをみる

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  • 思ひ人

    ◆ 行商の老婆は急ぐ この街に 初恋の 病んだ男が 潜むと聴いて 彼に海の幸を 届けたい一心なのだ それは老婆が 中学を卒業したときから ずーっといつも 男に食べさせたいと願いつつ 傍らによけてきた 大切な海の一品なのだ ◆

  • 海の幸

    ◆ 強風の 中を老婆は 立ち向かう 今日の海の幸 街へさばきに ◆

  • 群青

    ◆ 群青は 澄んで濃い色 ウルトラマリン 他にない色 神の色 一途な鳥は そこに向かって 一線超える ◆

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  • 三バカ話

    ✩ 学校の 帰りに拾った 捨て猫を 祖母にねだって 飼い猫とする ✩ 愛されて とりわけ母[今の祖母」に 愛されて 里子にされず育った 今のママがいる ✩ そのママが おそれて祖母を 見守れば ー裏で鳴いてる 猫 飼いなさいー ✩

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  • 魚屋

    ✩ 魚屋の ザルに並んだ どの魚も 愛らしい目で 人を見ている ✩

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  • 野辺の兎

    ✩ 野兎の さまよう先は いつも野辺 人の愛着 第一とはせず ✩

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  • 野兎

    ◆ 春の野原では、 寛げるはずの野兎が、 どこか慌て気味に、 見え隠れしている。 長閑な春の日といえども、 敵に全身を曝しては、いられないのだろう。 小心もので、臆病な、野の生きもの。 その兎が、 峡谷の十メートルの激流を、 跳んで渡った。 兎が数十秒前までいた川岸には 五六匹の野犬が、 いかにも... 続きをみる

  • 夏の鳶

    ✩ 夏の鳶は 突っ込む先も 青い空だ もし白雲でも 浮かんでいたら 翼をひっかけ 空中分解するだろう ✩

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  • ✩ 鯨は 生きている幸いを 背中から噴きながら ゆったりと 沖を行く 鯨は図体だけでなく 心も大きい ✩

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  • しるし

    ✩ やませ来て 薄情者を 棄てて去る 神あることの これもしるしと ✩

  • はえ[南風]

    ✩ はえ[南風]が来て 吾が両肩を 押さへれば 帰るほかなし 南の家へ ✩

  • 行路

    ✩ ここに来て 励まし受ける 吾が身とは 露も知らずに ふらり立ち寄る ✩

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  • ✩ 夏はすでに 来てゐるけれど されどなほ 涼を届ける 夏に期待し ✩

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  • 幻の家

    ✩ 望郷の 女荒野に 辿り着き 面を上げれば 幻の家 ✩

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  • 山郷

    ◇ 行き過ぎて 小戻りするや 梅二輪 右と左に 赤と白咲く ◇

  • 光の武具

    ◇ 鶯の 舌を貫く 光り見ゆ 光の武具を 備ふる鳥か ◇

  • 草笛

    ◇ やるせなく 草笛吹けば なにゆゑか 野鳥数羽が 傍に来てをり ◇

  • 草原

    ◇ あくがれの 丘へまつすぐ 牧開き 羊と牛の 駆ける草原 ◇

  • 春の野

    ◇ 春の野に 兎いくらか 寛ぎぬ 雪の上より 足跡見えず ◇

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  • 遠蛙

    ◇ かなしめば 小窓に届く 遠蛙 ふるさと吾を 呼ぶかに聞こゆ ◇

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  • 水槽

    ◇ 水槽の 金魚の上に さくらばな 金魚の口が 食らひて千切る ◇

  • 春の鳶

    ◇ 春の鳶 狙ひは生きもの さにあらず 軒先に干す 魚や唐黍 ◇

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  • 野にをらず

    ◇ 雲雀野に 探せどをらず 蒼穹に 一点光り 声を発散 ◇

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  • 卒業式

    ◇ 卒業生 見送りて立つ 風見鶏 苛めつ子には あかんべをして ◇

  • 永き日

    ◇ 永き日を 道草好む 犬連れて そつちは駄目よと ロープ手繰りつつ ◇

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  • 天使の基地

    ◇ 菜の花や 天使の基地と して開く 如何なる鳥が 羽根を休めに ◇

  • 猫柳

    ◇ 猫柳 みんな上向く 猫ばかり 見上ぐる猫も 鼠は追はず ◇

  • 窓辺明るく

    ◇ しばらくは 窓辺明るく 桜花 落花のときは 頭に置かず ◇

  • 春の川

    ◇ たうたうと 大地を下る 春の川 この世の汚れ 洗ひて濁る ◇

  • ヒキガエル

    ◇ 蟇蛙 渋面ならば お手の物 娑婆に生きれば 自然さうなる ◇

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  • 囀り

    ◇ 囀りを 収めまた沸く 一樹あり 辺鄙な町の とある片隅 ◇

  • 蟇蛙

    ◇ 吾が出づる 道に現はる 蟇蛙 互ひに顔を 合はさず別る ◇

  • 春の野

    ◇ 春の野に 立ちて敵する ものを見ず 体操嫌ひも つい深呼吸 ◇

  • 沈丁花

    ◇ 鳥たちの 黙し息する 沈丁花 目は薄つすらと 開き加減に ◇

  • 子猫の掌

    ◇ 子猫らの 掌ほどの 梅開く 幼きなりの けなげさをもち ◇

  • めじろ

    ◇ めじろ二羽 梅の開花を 告げにくる ほかのものでは 役目はたせず ◇

  • ひばり

    ◇ 紺碧の 天に一点 揚げひばり 晴れがまし過ぎ そのまま置かる ◇

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  • 去年の種

    ◇ 飼ひ葉桶 雀跳び込み 草の種 一つ見つけて まさに雀躍 ◇

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  • 菜畠

    ◇ 菜畠に 没するものは みな黄色 犬猫鳥に 差別などなし ◇

  • 挨拶回り

    ◇ 着いてすぐ 挨拶回り するつばめ 翼でバサと 肩を叩かる ◇

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  • 廻る鳥

    ◇ 項垂れし 白鳥水を 廻るのみ 水に映るは 遠きかの鳥 ◇

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  • 果てを行く船

    ◇ 水脈白く 曳きてこの世の 果てを行く あの客船は どこへ行く船 ◇

  • 拒食症

    ◇ 手に余る 苺さしだす 赤子あり これではまるで 苺おにぎり ◇

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  • 初蝶

    ◇ 紛れ込む 初蝶やすむ 暇はなし リビング巡り 猫をからかふ ◇

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  • 山鳩

    ◇ 梅うつり 桜来て咲く ほとりには 羽毛なびかせ 山鳩もをり ◇

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  • 蕗の薹

    ◇ 発見と いふほどもなく 蕗の薹 雪間にあせた 色して立てり ◇

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  • 蝶を羨む

    ◇ 蝶の出て たちまち消ゆる この空に 変幻自在の 蝶の仕草よ ◇

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  • 卒業期

    ◇ すぐ逢へる 思ひのままに 卒業す されど不如意の 人生行路 ◇

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  • 春の虹

    ◇ 曇天に さやかに架かる 春の虹 霞みゆくのを 不思議に残り ◇

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  • ◇ 梅咲くや 今なき人を 懐かしみ 昔はみんな 山猫だつたと ◇

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  • 馬に遇う

    ◇ ひよつこり 馬の顔出す 田舎道 褐色の肌 光らせて駆く ◇

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  • 木の芽どき

    ◇ 乙女らの 私語して通る 木の芽どき 唾四散し 路傍は萌ゆる ◇

  • 彼方の家

    ◇ 咲き出でて 山近くする 桜花 はたまたあれは 白壁の家 ◇

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  • 未練

    ◇ 雪は降る 小さきものに 化身して 未練を春の 新芽にかぶせ ◇

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  • 白梅

    ◇ 白梅の 北限探り 行き行けば 雪に降られて 視界失ふ ◇

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  • 二句〈雁〉

      ◇ 雁の列忽然と消ゆ照る空へ   ◇ 細く高く雁音しばし澄む空へ   ◇

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  • 庭の雀

    ◇ 片隅を 吾が世の春と 菫草 かかる認識 雀にもあり ◇

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  • 鶴帰る

    ◇ 重き荷を もてゆく如し 鶴帰る 優しき人に 別れを告げて ◇

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  • 初雲雀

    ◇ 光るもの 嘴ばかり 初雲雀 間なく飛び出す 美声待つ日々 ◇

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  • ハイウエー

    ◇ 高速に 飛ばす車の 中にゐて いのち幾度か 天にまかせり ◇

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  • ビルの谷間

    ◇ 雁渡る 高層ビルの 谷間にて 見送る声を 翼に包み ◇

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  • 山郷

    ◇ 白梅も 紅梅もあり 山の郷 過疎の村ほど 花は豊かに ◇

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  • 光る声

    ◇ 鶯の 舌を貫く 光あり 声いさをしく 暗き世を討つ ◇

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  • 落椿

    ◇ 落椿 よけてゆく足 ハイヒール 哀れみよりは 靴を庇ひて ◇

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  • 杣道

    ◇ うるはしき 視線と思へば 白き梅 不意に現れ 消ゆる杣道 ◇

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  • 山里

    ◇ 鶯と 競ふ雀の 四五羽かな 声で負けても 気力優りて ◇

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  • 山嶺

    ◇ 山嶺を 青き蝶また 白き蝶 星かそれとも 流行りのドローン ◇

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  • 春の航

    ◇ ことのほか 水脈白く曳き 春の航 人の門出を 見てゐる心地 ◇

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  • 春雷

    ◇ 春雷や 浮かれ娘の 後戻り ボディーラインを 消して出直す ◇

  • 菜畑

    ◇ 菜畑を 近寄せ見せる 望遠鏡 蝶も飛び入り 視界狂はす ◇

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  • 軒の雀

    ◇ 春の雨 軒の雀の 私語やまず 午後には止めば いいのにね  ◇

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  • メジロ

    ◇ 子雀の 嘴ほどの 梅開く 花をあさるは 異鳥メジロ ◇

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  • 花祭り

    ◇ 人は減り 村は雀の 花祭り こぼれ拾ふは 昔も今も ◇

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  • 胡蝶

    ◇ 虚空舞ふ 胡蝶は今や 海の上 上下の青を 選択肢とし ◇

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  • 春雨

    ◇ 春雨に 頭濡らして 立つ雀 雨粒を目に 溜めて勢ふ ◇

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  • 寒椿

    ◇ 寒椿 猫の寂しさ ふと覗く 暗き根元に 佇む猫の ◇

  • 飛ぶ雁

    ◇ 梅うつり 桜ほの見ゆ 頃ほひを 翼にをさめ 異境へ飛ぶ雁 ◇

  • 野兎 2

    ◇ 目潰しを くらはす雪の 横殴り 野兎の目の 赤さを思ふ ◇

  • 冬草

    ◇ 冬草の みすぼらしくは 見ゆれども その屈強を 人は嗤へず ◇

  • 野兎

    ◇ 野の兎 豪雪ものとも せずに跳ぶ 生くる困苦に 垣根などなし ◇

  • 冬日さす丘

    ◇ ひとところ 冬日さしたる 丘の上 つばさ傷める 鳥来をるらし ◇

  • 一つのいのち

    ◇ おのおのが 天に差し出す 木蓮に 優劣はなし 一つのいのち ◇

  • 月光

    ◇ 月光に 映し出されて 跳ぶ兎 月のほかには 頼るものなし ◇

  • 木蓮

    ◇ 木蓮の 枝いつぱいに 咲き満ちて 捧ぐる花の 朝のけなげさ ◇

  • 竹馬

    ◇ 竹馬に 乗りて隣家を 窺へば 縁側にゐる 猫に睨まる ◇

  • 雪原

    ◇ 雪原に 足跡一つ 行き惑ふ 獣ではなく 人の足跡 ◇

  • 沖の海

    ◇ 冴える冬の夜だ 沖の海が襲ってくる 波頭に多くの海鳥をのせて 貧しい漁師の家を 襲ってくる ◇

  • 寒月

    ◇ 山の駅 寒月を撮り 帰宅する 携帯出せど 寒月出でず ◇

  • 点景

    ◇ 海原に 一点景の 冬鴎 ひねもす漂ひ 飛ぶ気配なし ◇

  • 冬の旅

    ◇ 冬の旅 いづこにあれど 夜は月 昼は太陽 ついて来てをり ◇

  • 柚子湯

    ◇ 浴槽に 柚子浮かべれば 猫遊ぶ 失敗すれば 猫の入浴 ◇

  • ◇ 梟や 亡き妹の 顔をもち 低声で啼く 兄兄兄と ◇