korekarayukumitiのブログ

長きにわたり探してきた道は、天から降りてくる梯子を
一歩一歩上っていくことだった。

夏霧



低空には霧がはりつめて
そこを天の階を昇り降りするかのように
駆け抜けている鳥がいる
引き締まった体躯の白い鳥で
翼を持ちながら、それは全く使わず
階段を昇り降りするのも、喘ぐような
息遣いはなく、滑るように走り抜けている。
何だろう、あの鳥の立ち居のすがたは。
あそこはすでに、天国の始まりで、鳥の姿を
してはいても、天女たちなのだろうか。
ほとんどそんな夢想にかられていると、
すぐ近くの夏霧が裂けて、パオパオと、一羽のカモメが
砂浜に降ってきて翼を閉じた。なあんだと呟いてみたが
そんな事では解決できないものが、頭に残っている。


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