◇ めじろ二羽 梅の開花を 告げにくる ほかのものでは 役目はたせず ◇
2017年3月のブログ記事
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◇ 紺碧の 天に一点 揚げひばり 晴れがまし過ぎ そのまま置かる ◇
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◇ 飼ひ葉桶 雀跳び込み 草の種 一つ見つけて まさに雀躍 ◇
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◇ 菜畠に 没するものは みな黄色 犬猫鳥に 差別などなし ◇
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◇ 着いてすぐ 挨拶回り するつばめ 翼でバサと 肩を叩かる ◇
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◇ 項垂れし 白鳥水を 廻るのみ 水に映るは 遠きかの鳥 ◇
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◇ 水脈白く 曳きてこの世の 果てを行く あの客船は どこへ行く船 ◇
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◇ 手に余る 苺さしだす 赤子あり これではまるで 苺おにぎり ◇
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◇ 紛れ込む 初蝶やすむ 暇はなし リビング巡り 猫をからかふ ◇
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◇ 梅うつり 桜来て咲く ほとりには 羽毛なびかせ 山鳩もをり ◇
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◇ 発見と いふほどもなく 蕗の薹 雪間にあせた 色して立てり ◇
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◇ 蝶の出て たちまち消ゆる この空に 変幻自在の 蝶の仕草よ ◇
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◇ すぐ逢へる 思ひのままに 卒業す されど不如意の 人生行路 ◇
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◇ 曇天に さやかに架かる 春の虹 霞みゆくのを 不思議に残り ◇
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◇ 梅咲くや 今なき人を 懐かしみ 昔はみんな 山猫だつたと ◇
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◇ ひよつこり 馬の顔出す 田舎道 褐色の肌 光らせて駆く ◇
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◇ 乙女らの 私語して通る 木の芽どき 唾四散し 路傍は萌ゆる ◇
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◇ 咲き出でて 山近くする 桜花 はたまたあれは 白壁の家 ◇
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◇ 雪は降る 小さきものに 化身して 未練を春の 新芽にかぶせ ◇
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◇ 白梅の 北限探り 行き行けば 雪に降られて 視界失ふ ◇
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◇ 雁の列忽然と消ゆ照る空へ ◇ 細く高く雁音しばし澄む空へ ◇
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◇ 片隅を 吾が世の春と 菫草 かかる認識 雀にもあり ◇
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◇ 重き荷を もてゆく如し 鶴帰る 優しき人に 別れを告げて ◇
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◇ 光るもの 嘴ばかり 初雲雀 間なく飛び出す 美声待つ日々 ◇
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◇ 高速に 飛ばす車の 中にゐて いのち幾度か 天にまかせり ◇
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◇ 雁渡る 高層ビルの 谷間にて 見送る声を 翼に包み ◇
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◇ 白梅も 紅梅もあり 山の郷 過疎の村ほど 花は豊かに ◇
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◇ 鶯の 舌を貫く 光あり 声いさをしく 暗き世を討つ ◇
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◇ 落椿 よけてゆく足 ハイヒール 哀れみよりは 靴を庇ひて ◇
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◇ うるはしき 視線と思へば 白き梅 不意に現れ 消ゆる杣道 ◇
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◇ 鶯と 競ふ雀の 四五羽かな 声で負けても 気力優りて ◇
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◇ 山嶺を 青き蝶また 白き蝶 星かそれとも 流行りのドローン ◇
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◇ ことのほか 水脈白く曳き 春の航 人の門出を 見てゐる心地 ◇
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◇ 春雷や 浮かれ娘の 後戻り ボディーラインを 消して出直す ◇
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◇ 菜畑を 近寄せ見せる 望遠鏡 蝶も飛び入り 視界狂はす ◇
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◇ 春の雨 軒の雀の 私語やまず 午後には止めば いいのにね ◇
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◇ 子雀の 嘴ほどの 梅開く 花をあさるは 異鳥メジロ ◇
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◇ 人は減り 村は雀の 花祭り こぼれ拾ふは 昔も今も ◇
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◇ 虚空舞ふ 胡蝶は今や 海の上 上下の青を 選択肢とし ◇
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◇ 春雨に 頭濡らして 立つ雀 雨粒を目に 溜めて勢ふ ◇
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◇ 寒椿 猫の寂しさ ふと覗く 暗き根元に 佇む猫の ◇
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◇ 梅うつり 桜ほの見ゆ 頃ほひを 翼にをさめ 異境へ飛ぶ雁 ◇