korekarayukumitiのブログ

長きにわたり探してきた道は、天から降りてくる梯子を
一歩一歩上っていくことだった。

思ひ人



行商の老婆は急ぐ
この街に
初恋の
病んだ男が
潜むと聴いて
彼に海の幸を
届けたい一心なのだ
それは老婆が
中学を卒業したときから
ずーっといつも
男に食べさせたいと願いつつ
傍らによけてきた
大切な海の一品なのだ


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