長きにわたり探してきた道は、天から降りてくる梯子を一歩一歩上っていくことだった。
苺
◇ 苺摘む 少女の指も 苺色 子牛よろこび その指を吸ふ ◇
巣
◇ 鳥の巣を 見つけ秘密を 持つ子供 学校帰りの 野辺の近道 ◇
鴨の親子
◇ 巣立ちする ごとく古池 捨てて行く 鴨の親子の 前途を祈る ◇
野原
◇ 野原では 同じ出逢ひの 蝶や蜂 昨日の蝶に 今日もまた逢ふ ◇
麦藁帽子
◇ ああ夏野 麦藁帽子 置き忘れ いつしか鳥の 巣材となりぬ ◇