◇ 行き過ぎて 小戻りするや 梅二輪 右と左に 赤と白咲く ◇
2017年4月のブログ記事
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◇ 鶯の 舌を貫く 光り見ゆ 光の武具を 備ふる鳥か ◇
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◇ やるせなく 草笛吹けば なにゆゑか 野鳥数羽が 傍に来てをり ◇
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◇ あくがれの 丘へまつすぐ 牧開き 羊と牛の 駆ける草原 ◇
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◇ 春の野に 兎いくらか 寛ぎぬ 雪の上より 足跡見えず ◇
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◇ かなしめば 小窓に届く 遠蛙 ふるさと吾を 呼ぶかに聞こゆ ◇
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◇ 水槽の 金魚の上に さくらばな 金魚の口が 食らひて千切る ◇
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◇ 春の鳶 狙ひは生きもの さにあらず 軒先に干す 魚や唐黍 ◇
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◇ 雲雀野に 探せどをらず 蒼穹に 一点光り 声を発散 ◇
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◇ 卒業生 見送りて立つ 風見鶏 苛めつ子には あかんべをして ◇
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◇ 永き日を 道草好む 犬連れて そつちは駄目よと ロープ手繰りつつ ◇
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◇ 菜の花や 天使の基地と して開く 如何なる鳥が 羽根を休めに ◇
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◇ 猫柳 みんな上向く 猫ばかり 見上ぐる猫も 鼠は追はず ◇
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◇ しばらくは 窓辺明るく 桜花 落花のときは 頭に置かず ◇
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◇ たうたうと 大地を下る 春の川 この世の汚れ 洗ひて濁る ◇
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◇ 蟇蛙 渋面ならば お手の物 娑婆に生きれば 自然さうなる ◇
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◇ 囀りを 収めまた沸く 一樹あり 辺鄙な町の とある片隅 ◇
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◇ 吾が出づる 道に現はる 蟇蛙 互ひに顔を 合はさず別る ◇
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◇ 春の野に 立ちて敵する ものを見ず 体操嫌ひも つい深呼吸 ◇
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◇ 鳥たちの 黙し息する 沈丁花 目は薄つすらと 開き加減に ◇
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◇ 子猫らの 掌ほどの 梅開く 幼きなりの けなげさをもち ◇